わたしの感受性くらい

タイトルは、とある詩をもじってつけています

Impact Study

 学校図書館(の〇〇)が学習者の学びに与える影響とはどのようなものか、また、それをどのように測るのか、を表現する言葉のひとつとして“Impact study”があるのを知った。 

 学校図書館が、学習者の学びに何らかの変容をもたらしているのではないかというのが(これもまた広いが)私の読みだけど、じゃあ学校図書館の学習ってなんだ、そこで何が学べるのか、どのような影響を与えているのか、一体どうやってそれを実証するのか。。。という問答をずっとくり返している。そのなかで見つけた論文のいくつかを以下に挙げておく。

 

  • Keith Curry Lance and Linda Hofschire “Something to Shout About: New research shows that more libraries means higher reading score”, Schoo Library Journal 57(9), 28-33, 2011-09.

 ライブラリアンの有無やその数と、4年生の読解スコアとの相関について、複数の州を対象にした研究。4つのグループに分けてスコアの上昇率を調査した。なぜ4年生かを説明している。それから、文中にあるライブラリアンがもたらすものについてコメントがぐっときた。

 

  •  Keith Curry Lance and Linda Hofschire “Change in School Librarians Staffing Linked with Change in CSAP Reading Performance, 2005 to 2011.A Closer Look”, Library Research Service, 2012-01.

 上の研究をふまえて、コロラド州でやってみた、という研究。認定された/資格のある(endorsed)ライブラリアンの配置数と生徒のリーディングレベルとの相関について調査している。non-endorsed librarianとの差異化を図っているようだ。最後に質的研究で調べられる問いについて言及している。量的か質的か…。

 

  • Marzoli, Rita and Papa, Ornella “School Library and Students' Achievement: A Relationship to Go Into” , Paper presented at the Conference "INVALSI data: a research tool", 2017-11.

 イタリアの9896の学校を対象に、5、8、10年生の読解リテラシー調査でのパフォーマンスと、学校図書館(SL)のbook heritageの規模との相関についての研究。book heritageってどうやって訳すのだろう?ど直訳だと本の遺産…?(私は「蔵書」だと思って読んだ。)SLの機能(functioning)と生徒のパフォーマンスとの関係を、数学とイタリア語のテストのスコアをもとに分析する。そのあとにbook heritageの数の異なる学校に通う生徒のスコアも比較している。

 研究の蓄積については、アメリカにはしっかりした基盤がある、イタリアよりはるかに進んでいるぞと書かれている。はじめにあったイタリアの学校図書館の現状のところもそうだけど、諸外国リスペクト?を感じる。さすがアメリカだー感が漂ってきてちょっと笑ってしまった。